大福帳をご存知ですか?

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読んで字のごとく「大きな福」をよぶことからきた名称です。
もう少しつきつめると商家で売買金額を書き入れる元帳。

今で言う顧客ビッグデータベースです。

江戸時代から明治、大正の頃まで使われたもので、
江戸商人は店が火事になると真っ先にこれを持って井戸に逃げ込み守ったと
さえ言われる重要性に驚きます。

さて、わたくしは文具屋に育ち、嫁ついだ先も
文具屋という人生でございます。

小さい頃は小銭商いといわれる家業を口にすることさえ
嫌でお手伝いさんを常勤させていた呉服屋の子だとか酒屋の子だとか
言って見栄をはっておりました。
浅はかとしか言いようがありません。

そんな生家は既に廃業いたしましたがその際に
親から手渡されたものが数点あり、その中に大福帳がございました。

明治38年と貫禄のある筆文字で記された
その大福帳は現在レジカウンター横に縁起物としてぶらさげ
来店される方から懐かしむお声も頂戴しております。

この大福帳、100年の時を経てきているのに、
感心させられることがございます。

それは紙質です。

半紙を縦に半分におり、片方を綴じたそのものを
長年ぶらさげておりますが、痛みがさほどございません。

さらにそこに筆で細かく書き込まれた数々のデータが
色褪せることなく、手すき和紙の強度と優れた保存性に
日本伝統工芸の素晴らしさにうなります。

 

今回、実店舗オープンに伴い、
紙屋からスタートした当店ならではの特徴を活かし
オリジナルノートのコーナーを新たに設けました。

こだわりは紙質です。

主に3タイプのそれらはまるで暗号のようですが、
クリームキンマリ、トモエリバー、コンケラーレイドの名を持ち
いずれもボールペン、万年筆、鉛筆に特化した紙質で
ペンを走らせればその書き味に満足していただけるものかと存じます。

表紙の種類、カラーもバリエーションに富んでおり
レザーをはじめ、リネン素材は長年製本業に携わった職人さんが
ひとつずつ丁寧に作り込んでおります。

世界でただひとつのノートの制作は15分というスピードで
仕上がります。

ご来店のおりにはぜひとも
お作りいただければと思っております。

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